
実を言うと以前ピーター・ジャクソンの「キングコング」を観て、ちょっと感動してしまった事があるワタクシ禁煙さんではありましたが、今回はそんな心配はありません。
コレは、我々の知っている、巨猿がニューヨークに連れてこられて見世物にされて、美女をさらってエンパイアステートビルに登る、あのキングコングではない。
そもそもコングは髑髏島を出ないのだ。
「ローグ・ワン」の監督、ギャレス・エドワーズの前作、(何度目かの)ハリウッド版「ゴジラ」に出ていたケン・ワタナベは「MONARCH」という訳のわからない組織に属していたが、本作のジョン・グッドマンもMONARCHのヒトである。
つまり、シリーズ物なのだ。
本来のキングコングのテーマも捨てて、摩天楼を登るエテ公、という魅力的な絵も捨てて、何をやっているかというと、まあ、プロレスです。
エテ公とヘリコプターのプロレス。
エテ公とわけの分からん後ろ足のないトカゲとのプロレス。
要はこの映画はコレだけです。
で、コレがつまらないかというと、けっこう面白かったのね。
プロレスとして面白い。
モーションキャプチャーを使ったコングの動きが、もう、ダイナミック。
1 975年のラウレンティス版(ジョン・ギラーミン版とも言う)「キングコング」で、「ロボットコングが動く!」とか言ってて操り人形以下の動きが5カットくらいしかなかったの比べると、隔世の感がある(そりゃそうだ、およそ半世紀前だもの)。
例えばさ、ジャンプしたコングが振り下ろした拳でヘリを叩き落とすシーンでさ、モーションアクターがただ、拳を振り下ろしただけじゃダメなわけじゃん?
インパクトの瞬間、振り下ろすスピードが一瞬落ちてるはずじゃん?
そのへんまで含めてやってる感がある。
横からスタッフがモーションアクターになんかヘリ的なものを放り投げてるんだろうか。
なにを放り投げてるんだろうか。
プラモのヘリだろうか。
わざわざそのために組み立てたんだろうか。
・・・どうでもいい。
あとコレは昔から不思議なんだが、時間的には充分あるはずなのに、どうしてもうちょっと秘境探検モノ的なワクワク感が出ないんだろう。
昔の怪獣映画はもっと短い上映時間で秘境探検モノのワクワク感が醸し出せていたようなきがする。
コレが「世界が狭くなった」ということだろうか。
この世界から秘境が無くなったということだろうか。
この1973年が舞台の映画にしてからが、髑髏島は衛星画像で発見されるのである。
なんとなく、現代において怪獣映画が不可能になってしまった事を予感させる一本ではある。
DVDのジャケットも、必死で「懐かしい秘境探検怪獣映画」感を出そうとしているが。
秘密機関「MONARCH」を題材にしたこのシリーズ、次はいよいよ「ゴジラ対キングコング」だそうだが、大丈夫なんだろうかと思わざるを得ない。
つか大昔の東宝映画じゃん!!



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