
ココ数巻、呪いだの恐怖だのよりも人間ドラマに傾倒するKANEDA氏の演出方針に疑問を感じていたが、ココに来ていよいよ、恐怖だの以前に「投稿映像を基にしたノンフィクション」っぽく作ることすら諦めたようである。
どこへたどり着くのだろうか、、、
「みてはいけない」
要は友達に人面瘡があったハナシ。
人面瘡の周囲の皮膚と本人の皮膚の色が明らかに違うのはいかがなものか。
「いるはずのない同級生」
20年前の中学校の卒業式。在校生によるいわゆる「呼びかけ」の様子をおそらくは父兄のひとりが撮影している。
10数人の2年生が壇上に並び、一人ひとりアップを撮影しているが、カメラが舞台の袖を撮ったとき、壇上を覗き込んでいる少年が映る。
この少年がヘアスタイルといい輪郭といい、メガネを取った魔太郎が来るにしか見えないのだが、ソレはひとまず置いておこう。
舞台の袖にいるこの少年を、カメラがパンする最中に一瞬捉えたのではなく、明らかにこの少年を撮るために止まっているのがリアル。撮影者はソコにナニかがいることには気づいているのである。
投稿者にインタビューすると、この少年は卒業式以前にいじめを苦にして自殺しており、その時そこにいるはずがないのだという。
そして、壇上にいる2年生のうち、自殺した少年をいじめていたとされる少年の顔がノイズで消えている、、、
このハナシはこの後投稿者へのインタビュー映像も含めてちょっと意外な展開を見せて斬新。
少年の不気味な造形とあいまってこの巻の意欲作と言って良いのではないか。
「みつけて」
女子の合宿+窓の外で落下、というどちらも何回見たか分からない王道路線の組み合わせでなんとかなるかと思ったがなんともなりませんでした、という例。
「シリーズ監視カメラ 外壁工事」
自室マンションのベランダに干しておいた高級スニーカーを盗まれた女性が、犯行の瞬間を押さえるためにカメラを設置する。
で、まあ、「出る」わけですが、どうも投稿者の自殺した友人らしい。しかもその友人は盗まれたスニーカーを気に入っていたらしい。
一体全体スニーカーはどこに行っちゃったんでしょう。幽体が実体を持ったスニーカーを履けるんでしょうか。霊魂はスニーカーの霊魂を履くんでしょうか。
イロイロ考えさせられますね。
ところで舞台となったマンションが「外壁工事」中であることってなんか関係あった?
エピソードのタイトルの付け方にも疑問を感じる。
「疾走」
20年以上前のホームビデオ。まだよちよち歩きの投稿者のいとこが部屋の端のアコーディオンカーテンの前までよちよち歩いた時、やたらひょろ長い人影が写っている。
この直後にいとこは失踪してしまったので、この人影と何らかの関係があるとでもいうのだろうか、、、というハナシ。
このひょろ長い人影の造形がちょっと不思議。
なんつーか真鍋博のイラストにしか見えない。
真鍋博についてはぐぐるかお父さんに聞いてください。
「続・黑く蠢くもの」
毎年恒例夏の三部作の2作目。
今回は前巻のラストでチラッと出てきた「川居尚美嬢時代に没になったが今回の案件と同じ事象が起きている映像」への取材が主体です。
仲間と一緒にバーで飲んでいる映像なのだが、そこで何かが起こるらしい(最後までもったいぶる)。
川居尚美嬢を呼んで前回取材が中止になった事情を聞くとともに、この件については川居尚美嬢も取材に協力することなった。
そして再取材の結果、
・前回は取材途中で投稿者側から取材中止を申し入れてきたこと。
・中止の理由は同席していた仲間のひとりのお子さんが亡くなり、 この手の取材に耐えられる状態ではなかったからであること。
・1年経ってお子さんを亡くした仲間の状態も落ち着いてきたので再取材を受ける気になったこと。
などが判明する。
そしてお子さんを亡くした仲間に直接取材した結果、亡くなったお子さんは、無くなる直前、近所の死亡事故現場に手向けられていた花を一輪、持ってきてしまう、という出来事があり、コレを縁起の悪い出来事として記憶していた、という。
う~ん、、、
弱くない?
道端の花持ってきちゃうだけで呪いが伝染しちゃうの?
しかし、川居尚美率いるほん呪スタッフは事故現場まで取材に赴き、未だに花が供えられていることを発見、あまつさえたまたま花を供えに来た人物に接触成功してしまう。
花を供えに来ていたのは事故で亡くなった子供の父親と名乗った。
しかし実の父親ではなく、離婚した妻の連れ子を引き取って育てていたのだという。
う~ん、、、
連れ子のいる女性と結婚して離婚して引き取った子供がまだ4歳か、、、
愛情の深い方である。
しかし今回のポイントはやはり上田の暗躍である。
今回、上田は表立ってあまり暴れていないが、演出補中田がSNSで「ほん呪」を中傷するアカウントを発見する。
主に「中田氏ね中田氏ね中田氏ね中田氏ね」「最近つまらん」といったたぐいのものだが、一つ気になるのは「出戻り川居ウザい」といった川居尚美嬢の復帰を知っている点である。
中田がこの書き込みを発見した時点で川居嬢の復帰はまだ発表になっておらず、この情報を知っているのは内部の人間である可能性が高いのだ。
そんなもん上田に決まっているではないか。
「内部の犯行の可能性が高い」まで分かっていながら、なぜ上田に問いたださないのか、訳がわからない。
こういうところにフィクションの影が見えてしまうというのだ。
最後にやっと、「同じ現象が起きている」という映像が見れる。
「ほん呪」の系譜で言えば、「別の映像が紛れ込んでしまう」系である。
バーの中で最つえいしている映像に、一瞬のノイズのあと、どことも知れぬ部屋の中に切り替わり、その中に確かに前回の投稿映像とそっくり、顔にドロドロしたものを塗り込められた女性が佇んでいるの映っている。
なるほどね、確かにこの二つの映像には何らかの関係があると思わせるには充分である。
ココでちょっと言っておきたいんだけどさ、このエピソードも、いわゆる「夏の三部作」のひとつな訳じゃん(知らないヒトのために一応説明すると、「ほん呪」シリーズでは夏場リリーズされる3巻には、一つの大掛かりなエピソードを3巻に分けて収録するのが恒例になっているのだ)。
ということは、3部作の1作目で、「コレは3部作にする」と分かっているわけである。つまり、1作目の時点で、最後の3作目まで撮影は終わっている筈である(もしかすると編集まで)。そうじゃないと3部作にするに値するネタかどうか分からないではないか。
この時点でこのSNSでの中傷の件を編集で切っていない、ということは、次の3作目でこの中傷していた人物の正体が割れる、ということなのである。
そんなもん、この事件と関係がなかったらカットすればいいだけである。
一作目で暴れる上田のエピソードも切っておらず、今作でも一見事件と関係ない中傷の件を切っていない。
つまり、中傷の犯人はこの時点で上田以外ないのだ。
なんか、もうちょっとうまく構成できないかなぁ、、、と思う。
まさか、犯人は上田じゃない、まだ登場していない第三者だ、とでも言うのだろうか、、、


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