
ビデオ版の「呪怨」はオレが今まで見たオカルト物の映像作品の中で、一番怖かった。
で、コレ。やっぱり清水崇はタダ者じゃない。
ビデオ版「呪怨」はもともと一本に繋げようと思って撮ったものではなく、別々に撮ったいくつかの短編に、いくつかエピソードを付け加えてつながってる様に見せている。そのせいか、「呪怨」は矛盾だらけでマッタク辻褄が合わない。
逆にそこが怖い。もう、マッタク何が起こるかわからないのだ。コイツは何がしたくてこんなに暴れておるのか、と。一体全体どうなれば満足なのか、と。意味不明でダークなパワーに満ち満ちている。あんまりやられるとどうでもよくなってくるパターンだが、時系列をばらばらにする構成で、どうでもよくなるのを防いでいる。
ところがこの「輪廻」だ。コレは「呪怨」とはマッタク逆に、異常に辻褄が合う。日本映画に珍しいくらい緊密なシナリオになっている。どうやらこのヒトは両方出来るらしい。コレは恐ろしい才能なのではないか。
カット割りだけで時空を超える、と言う手法は、昔クローネンバーグが「デッド・ゾーン」でやっていて、「巧いなぁ」と惚れ惚れした覚えが有る。今回清水崇はコレを全編に渡ってやりまくっていて、ちゃんと出来てる。コレを見てるものを混乱させずに出来る日本人を見たことが無い(実を言うと「呪怨」でもちょっとやっているのだが、このときはヘタだなぁ、、、と思った)。
さらに凄いのは、ラストの三手前くらいで明らかになってくる、この映画を支えるアイデアね。コレは凄いなぁと舌を巻いた。う~ん、まさかこうなるとはなぁ、、、完全にやられた。
さらにラストの一秒の衝撃。完全に翻弄された。
だけどさ、これ、怖いか?
なんか理に落ちすぎて、恐怖映画って言うよりミステリーみたいになっちゃった気がする。ラストの三手前で何が何を怖がらせているのかが変わる(或いはハッキリする)んだけど、ここで「あーーーっxつ!!」って感心しちゃって、あとは怖いって言うより、ほう、これからどうするつもりかな?って方に興味が移っちゃった。
コレ以降も恐怖演出はさんざんあるんだけど、ちょっとウザくなってくるのね。もう、何がどうなってるかは判った、と。とっとと全員どうなるのか見せろ、と。
まあ、ラストですっ飛ばしちゃってる部分もあるんだけど、いわゆるJ-ホラーの現在の到達点を確認する意味でも、優香がなかなかどうしてマトモな演技も出来るの確認する意味でも、観て損はないです。



コメント