
結構前からその傾向は有ったのだが、KANEDA体制では、
「なぜソレが心霊動画と言えるのか」
という根本的な問題を抱えたエピソードが多い。
この89巻など、ほとんどそうではないか。
多分、KANEDA氏は心霊動画などに興味がないのだろう。
「怖い」とはナニかについてのスタンスが、「呪いのビデオ」という概念から乖離してしまっている。
そして、KANEDA氏にとって怖いものとはなにか、は、提示されているのだが、、、
「繰り返される死」
ドライブレコーダーの映像を延々と見せられる。駐車場を出て、どこか荒涼とした(現地の人ゴメンナサイ)ビルの多い街を走り続けていると、とある倉庫のような大きい建物の横を走っている時、突然上から生首らしきものが降っていくる。
問題はナニが「繰り返される」なのか、ということですが、どうも、延々見せられた途中の道でいろんなビルからヒトが飛び降りていた、ということらしい。そんなこと分かるわけがない。
分かるわけがないし、ナニを持って「繰り返されている」と判断するのもかわからない。
普通に考えたら端に、
この日この街ではやたら飛び降り自殺が多かった。
というだけで、別にそれ自体は心霊現象じゃなくね。
ラストの生首の件だけは確かに心霊現象なんだけど、、、
「スナック」
スナックの奥に顔が映ってただけで、
「ダイエットの約束を破ったことに腹を立てた奥さんの生霊が来た」
と思える発想力、奥さんへの恐怖が一番怖い。
「凍氷」
もう、何度目かわからないミレーの「オフィーリア」ネタ。
なんかもう、心霊動画周辺の関係者にはこの絵画がオブセッションになっているかのよう。
「新婚旅行」
少女が床に寝っ転がってる。
ナレーションで「このホテルでは昔火事で少女が亡くなって以来、徘徊する少女が目撃されているらしい」と言われても、少女が床に寝っ転がってるだけの可能性のほうが高いと思うがどうか。
もっと「ホテルの従業員には見えていない」とか、逆に「従業員が恐怖に怯える」とか言う描写がないと、なぜコレを心霊動画とするのか、根拠が弱く、恐怖もクソもない。
「棲みつくもの」
だからさぁ、訳のわからんオンナが天井裏にいたってだけじゃん?イヤ、「だけ」っつーかそれはそれで怖いけど。心霊とか呪いとかいう問題じゃなくね。
「黒く蠢くもの」
案の定、SNSで「中田氏ね氏ね死ね」などとのたまっていたのは上田であった。
しかも上田はなんと「ほん呪」の内幕動画を「本当の、ほんとにあった!呪いのビデオ」などと称してSNS上にアップしているのであった。
この時点でなぜクビにしないのか、さっぱり分からない。
普通はすぐさまクビにして訴訟沙汰ではないのか。
少なくとも「このままでは訴訟を起こすよ」と脅すくらいは必要ではないのか。
ココでちゃんとクビにしないから、上田はなんとヒトに金を払ってほん呪委員会の面々にウソの証言をさせる、などというところまでエスカレートしてしまう。
ココまでヤラれてもほん呪委員会の対応は「呼び出して説教」である。
川居嬢は「先輩たちが築き上げてきたほん呪20年の歴史をなんだと思っているのか」というが、ワタクシ禁煙さんは同じことをKANEDA氏に言いたいんだけど、、、
おわかりいただけただろうか。
「ほん呪」は心霊動画を観せて視聴者に怖がってもらおう、という企画である。
だとすれば、この一連の上田に関するエピソードは本来の趣旨からは全く外れるだろう。
んなもんカットすれば良いではないか。
上田に関するエピソードを全カットしたって今回の「ドロドロ」のエピソードは成立する。
にもかかわらず、カットしないのである。
なぜならKANEDA氏がやりたかったのは、まさにこの上田という「面白ければ何でもいいとの理論に従って上司の忠告だろうがヒトの気持ちだろうが法律だろうが踏みにじる無軌道なワカモノ」を描くことだからだ。
そうとしか解釈しようがない。
つまり、KANEDA氏は心霊現象などより、浅はかな考えで暴走するワカモノのほうが怖いのだろう。
もっと普遍化すれば、
「イヤ、あり得ない呪いなんかより」生きてる人間のほうが怖いっしょ」
ということなのかも知れない。
とは言うものの、ハナシはまだ続く。
前巻で明らかにされた、バーで撮影された映像、突然他の場所の映像が紛れ込む「アレ」を久々登場「アジア魍魎研究所」の二人に見せて意見を聞いている。
ここ2巻ほど登場して中
ココで、KANEDA氏は「映像に心霊に写っちゃうことってあるんですかね」という、ほん呪史上もっともアホな質問を二人にするのである。
いやそんなこと言ったら「ほんとにあった!呪いのビデオ」って企画自体が成り立たないじゃん?と思うが、おそらくコレはKANEDA氏の本音だろう。そもそもKANEDA氏自体「心霊動画なんて信じてないよ」というスタンスを明らかにしてしまっている。
ある意味正直なヒトである。
そしてこの世紀の愚問に対するアジア魍魎研究所の返答がまた不思議である。
何故か研究所の所長はココで突然「あらゆる時空に偏在するもの」のハナシをし始める。
「例えば大日如来とかね。全ての時空に偏在するものって存在するんですよ」
イヤ、大日如来の存在を前提にすればそうかも知れないけど。
っていうかそもそもそんなこと訊いてないと思う。
なぜここで所長は唐突に、しかも延々と「遍く時空に存在するもの」の可能性について語り始めるのか。
実はコレ、ラストで分かるようになっている。今回の怪異現象は、時空を超えるのだ。
ラストで我々に明かされる映像は最近撮られたものだが、1年前に撮られた映像にこの映像の一部が紛れ込んでいるのである。
そして、重要なのはアジア魍魎研究所の二人はインタビューの時点でこの映像を見ていない設定だ、ということだ。
まだ、時空を超える見ていないにも関わらず、時空に偏在する存在を語ってしまう所長。
まさか、彼もあらゆる時空に偏在する存在だ、とでも言うのだろうか、、、、



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