★★★☆☆

ご存知のとおりブレア・ウィッチスタイルの小品ホラー。この手法も大予算の「クローバーフィールド」だの大御所の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」だのを経て、徐々に洗練されつつある。この映画は登場人物の一人が、家の中で起こる超常現象を、最初から記録しようと企んで撮っているので、家の中数カ所にしかけてある固定カメラの映像も多く、やや観やすいです。
寝ている間寝室に固定されたカメラの中で、夢遊病者のごとく全く意味のわからない行動をしている彼女、などという絵はなかなか新鮮な不気味さがある。
「Paranormal Activity」と言う言葉はX-ファイルのオープニングに「Trust no one」だの「Truth is out there」だのと一緒に出てくる言葉なので、そのうちFBIの特別捜査官がでてきるんだろうと思ってましたが、そうはなりませんでした。
一軒家に同棲中のカップルの彼女のほうがなんか悪いもんに取り憑かれているらしく、子供の頃から様々な怪異現象に見舞われているのだが、ここんとこ特に酷い、と。で、彼氏の方が「オレが何とかしてやる」っつって怪異現象をビデオに収めようとするハナシ。
困ったもんなのはさ、この彼氏の解決方法って言うのが、結局、「ビデオで撮る」しか無いのね。
彼女の方は困ってる当事者だから霊能者呼んでみたり、いろいろするんだけど、彼氏はそういう手法を完全にバカにしてる。バカにするのはいいんだが、じゃあ何をするかって言うと、「ビデオで撮る」。
イヤイヤイヤイヤ、そりゃ近所のおっさんがイタズラしてるって言うんならビデオで撮っときゃ何らかの解決策になるだろうけどさ、なんか知らんが霊的なものが悪さしてるっつってんだから、映像に残しただけじゃ何の解決にもならないでしょ。そっから先はどうすんのよと。でもこの彼氏はなぁ~んにも考えてなくて、ただ、「ビデオで撮る」。なんかもう、あまりのアホさ加減に観ている間じゅうイライラする。
もちろんこの彼氏が意味があろうとなかろうとビデオで撮り続けてくれないと、そもそもこの映画自体が成立しないわけだが、それは製作者の都合というものだ。
つまりこの監督は製作者の都合とストーリーの必然性を混同するという、いかにも大事を前にした初心者にありがちなミスを犯してらっしゃるわけだ。
「ねえ監督、どうしてこの彼氏はビデオで撮影ばっかりしてるんですか」
「だってそうじゃないとモキュメンタリーとして成立しないじゃん」
眼に浮かぶようである。



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