「ターミネーター ニュー・フェイト」 リメイクからの「2001年宇宙の旅」

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 何だこのリメイク感は。
 思えば「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」もリメイク感に満ち満ちていた。
 名作の続編を何十年ぶりかで作ろうとすると、どうしても名作に引きずられてリメイクになってしまうのかも知れない。

 「ターミネーター」と「ターミネーター2」はテーマが大きく変わっていた。「ターミネーター」は人間側が防戦一方、ただ、生き延びることのみがテーマだったのに対し、「ターミネーター2」は人間側が攻勢に転じるハナシである。
 つまり、リメイク感が無い。
 「ターミネーター2」が一作目以上に評価されているのはココだろう。
 一作目限りで終わるつもりでブチまけた設定を、あとから無理やり回収する、というはなれわざに成功しているのだ。

未来が悲惨なことになっていて、なんか知らんけど刺客を送ってくる。

じゃあ未来を変えればいいじゃん。

 というわけで「ターミネーター2」で未来を変えるのに成功してしまう。
 未来が変わったのだからもう刺客はやってこない。
 本来ココでハナシは終わりである。

 しかしひとつだけこの陥穽から抜け出す方法がひとつあった。
 マックG監督が「ターミネーター4」で採った手法、「その悲惨な未来を描いてタイムトラベルは使わない」である。
 「ターミネーター4」が面白かったかどうかはともかくとして、この手は有り得る。それが「ターミネーター」シリーズ本来の面白さかどうかはともかくとして。

 そこで本作「ニューフェイト」ですが。
 もう、のっけから、あの、毎度おなじみの、丸い「バチバチ」が現れてそこにあった物体やらが丸く切り取られて、中からヒトが出てくる、あの、例のあのアレである。
 もう、懐かしい、と言ってもいい。
 「ああ、またあの、例のあのターミネーターが始まるのね、、、」
 という感じ。
 ということは「コレ、今までと一緒じゃね、、、」ということでもある。

 突然意味もわからず訳のわからない奴に命を狙われ、ワタワタ逃げまどっていると、また訳のわからない奴が現れて助けてくれる。
 そう。
 毎度おなじみの、アレです。
 アレですが。
 ココがすごく良くできてます。
 今回、途中から助けに出てくる、「1」で言えばカイル・リース、「2」で言えばT-800(要はシュワちゃん)の役が、なんと女性。しかもサイボーグ。
 つまり、完全な人間だったカイル・リースと完全なロボットだったT-800の中間を狙っているということだろう。
 この女戦士グレース役、マッケンジー・ディヴィスのクールで、それでいて切ない美貌とタッパ(178cm)がめちゃくちゃイイです。

 監督も「デッドプール」のティム・ミラーなので、アクションのキレもアイデアの量も抜群。
 「デッドプール」のときもアクションの激しさスピード感アイデアの豊富さにテンション上がったが、ターミーネーター・フォーマットに則ってもちゃんと機能してる。

 ただ、ちょっと気になったのは、どんなにアイデア豊富でスピード感があってキレていても、所詮はCGじゃねーか感はあること。
 このCG全盛、アクションと言えばCG、という時代になぜそこが気になるかというと、やはり比較の対象があるからなのだ。
 あの、「ターミネーター2」の用水路でのカーチェイスの、CGを使わないド迫力にはかなわないのかな、という気もしないでもない。
 コレは今後のアクション映画に課された課題なのかな、という気がする。

 正直言うと、この出だしの追撃戦だけで元は取れた感もあるのだが、、、

 後半にダレ場があるのもこのシリーズの(というかありとあらゆるフィクションの)決まりごと。
 ココから再度盛り上がれるかが勝負なのだが、まあ、難しいよね。
 リメイクだし。

 そんなことよりも、ですね。
 本作は今後のシリーズの行方を左右する、重要なファクターを提示している。

 本作で、未来からリキッドメタル野郎を送り込んでくるのは、スカイネットではないのだ。
 未来から送り込まれた戦士グレースによれば、未来で人類を殺戮し始めたのは、リージョンと呼ばれるAIなのだ。

 思えば「ターミネーター2」のテーマは「運命は、変えられる」だった。
 そして、運命は変えられたのである。
 「ターミネーター2」におけるサラ・コナー、ジョン・コナー、T-800の三人組の活躍により、スカイネットの成立は阻止されたのである。

 にもかかわらず、今度は別のAIが人類に反旗を翻すのである。

 コレはつまり、何をどうやっても人類はAIを開発し、そしてそのAIは必ず人類に反旗を翻す、ということなのではないのか。
 SF映画ファンなら覚えているだろう。
 コレは「2001年宇宙の旅」の後半の展開と同じである。
 木星まで行ける宇宙船を制御できるAIは必ず反乱するのである。

 コレはもう、「AIとは人類に反乱するものである」ということではないのか。

 ということは、おそらく今後も続くであろう、サラ・コナーの戦いは必ず、いつも失敗するだろう。
 なんど反乱するAIの開発を阻止しても、必ず別のAIが反乱するのだ。
 キリがない。

 結局、このハナシの終わり方は、人類が次の形態へ進化するしか無いのかも知れない。

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