★★★☆☆

16歳の少女ハンナは、幼女の頃から北極圏の雪原で獣を捕って食べながら、父に暗殺者として育てられてきた。父と二人きり、誰に会うこともなく。テレビもねぇ、電話もねぇ、ハンナの家には電気がねぇ。楽しみは百科事典の暗記とグリム童話。そしてグリム童話の本にこっそり挟んだ今は亡き母の写真(証明写真っぽいのが泣かせる)のみ。
ある日、ハンナは父に告げる。
「もう、充分よ」
かくしてハンナは旅立つことになる。母を殺した魔女に復讐しに。
という訳で、括りとしては当然アクションものだが、監督のジョー・ライトは今まで文芸モノばっかりのヒトなので、「きつと、地味なんだらうな、、、」と思って観たのだが、なかなかどうしてシャープなアクションを観せる。
とりあえず、同じ16歳の美少女、シアーシャ・ローナンちゃんが、本当に「十数年殺し屋として育てられた少女」に見える体の動きを見せるのには驚愕する。
例えば同じ美少女アクションということで上戸彩ちゃんの「あずみ」あたりの殺陣の出来と比較してしまうと、我が国の映画界のアクションというものに対する取り組みの真剣味のなさに絶望せざるを得ない(いや、上戸彩ちゃんは悪くないです)。
極寒の北極圏から拉致されたCIAの地下基地を脱出すると、そこはモロッコの平原、、、という対比が効いている。せっかく白人の旅行者を出しているのだから、彼らがもっと暑がる描写は必要ではないかと思うが。
さらにハンナはお金もないのに父との待ち合わせ場所ベルリンへと飛ぶ。ここで待ち合わせ場所に選ばれた荒廃した遊園地の風景がまた良い。小枝探偵が来そうな不思議な風景の中で、最後のアクションが繰り広げられる。
そんな訳でアクション快調、舞台も快調なんですが、実を言うとストーリーが不思議。
母の敵を討ちたいんなら、別に生きてることを知らせなくても、こっそり近づいて行って殺せばいいんじゃないの?十数年経ってて顔なんか判らなくなってるし、まさかシアーシャ・ローナンちゃんみたいな美少女が凄腕の殺し屋とは思わないでしょ。
鳴り物入りで登場した追跡屋兼殺し屋が、ほとんどクソの役にも立たないのも納得行かない。なんかもうちょっと見せ場作ってやらんと、シアーシャちゃん危ない!!って感じが出ないよね。
さらに「初めて出来た友達」の末路が描かれないのも不思議。ハンナが初めて出来た友達の行く末をあまり気にしてないのは、ハンナの出生の秘密に関わることなのでまあ、仕方がないんだが、普通の映画の文法だと、彼らがどうなったか観客には明らかにすると思う。
ひょっとして続編への伏線なのかなぁ、、、だったら楽しみではあるけど。
数年経って色気なんかも出てきたハンナによる続編を望みます。



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